ルート配送ドライバーの年齢層について解説しています。
「トラックドライバーは中高年の割合が高くなっている」という調査結果が出ています。これは平成27年に厚生労働省と国土交通省が合同で行った調査によるもので、40 歳~49 歳が 39.6%で最も多く、次いで50 歳~59 歳が30.0%。つまり40 歳以上のドライバーが、全体の70%近くを占めています(※1)。一方、30 歳~39 歳となると17.6%、29 歳以下となると、わずか3.4%となっています。また別の調査では、大型トラックドライバーの平均年齢は46.2歳、中小型トラックドライバーの平均年齢は44.9歳となっています(※2)。
参照元(※1):国土交通省 トラック輸送状況の実態調査結果(全体版)より[pdf]
参照元(※2):平成26年7月 国土交通省自動車局 自動車運送事業等における労働力確保対策についてより[pdf]
根本的な要因としては、若い世代にトラックドライバーの成り手が少なくなってしまっており、その分、相対的に平均年齢が上がっているということになってしまっています。では、なぜそのような状況になってしまっているのかというと、さまざまな要因が複合的に重なり合ってしまっていると考えられます。
例えば、近年盛んに報道されています通り、少子高齢化の進行によって若年層の数自体がどんどん減っていること。いわゆる「若者の車離れ」によって、車や運転にそもそも興味がないという層の割合が増えていること。そして、長年に渡って積み重なってきた「トラックドライバーは過酷な重労働」というイメージが刷り込まれてしまっていることなどが考えられます。
こうした問題は官民共通して認識されており、国土交通省が主体となり、2014年からトラックドライバーの人材確保・育成元年として活動が開始されました。新たなトラックドライバーを確保することが業界全体の活性化に繋がるという考えのもと、「業界イメージを改善すること」「トラックドライバーの将来のキャリアプランを明確にすること」「若年層の人材に業界のアピールをすること」「女性を積極的に雇用していくこと」を目標に掲げています。例えば高校や大学などに出向き、説明会を行ってトラックドライバーの業務を知ってもらうといった活動も活発になっており、トラック業界でも働きやすい環境の整備や、長時間労働の改善に向けての取り組みをはじめています
どのトラック事業所においても、若いドライバー希望者は大歓迎です。ただし、実際のところ採用現場において、年齢制限などを設定しているところは少ないかもしれません。人とのコミュニケーションが普通に取れ、免許を持っている、あるいは取れる方であれば、門戸を開いているというところは多いでしょう。
むしろ平均年齢を下げることだけを目的とするのではなく、働きやすさを向上させることで離職率を下げ、その結果として若い方々にも魅力的な職場と思ってもらえることの方が重要だと言えます。
取材協力
NTSグループ・株式会社キョウエイ
「家族主義」をモットーとしており、ドライバーひとり一人の悩みや希望に対応するという方針を実践。例えば他業種からの転職者には、安全運転指導員によるトラックの同乗指導からはじまり、荷物の積み降ろしかなどの研修をしっかりと行います。
また、「希望休」「希望時間」制度があり、勤務時間のシフト調整に柔軟に対応。例えばお子さんの学校行事がある、育児や介護などの都合があるといった場合にも、可能な限り希望に沿うよう調整。配車担当からドライバーに至るまで、一丸となってフォローを行います。