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トラック運転手の腰痛は労災認定される?

トラック運転手の腰痛は労災認定される例とされない例があるようです。その違いはどこにあるのでしょうか。認定の基準と補償の範囲、腰痛予防方法について紹介します。

トラック運転手の腰痛は職業病?

トラック運転手の職業病としての症状には「歯のトラブル」「便秘」「肥満」「睡眠障害」などがあり、これらと並び「腰痛」も良く挙げられる症状となっています。

特に腰痛は、重い商品、荷物を運ぶ作業を伴うトラック運転手を苦しめるもの。

中央労働災害防止協会の調べたデータでは、腰痛に関する労災のうち、15%がトラック運転手を含む「配送業」であると発表しているほど大きな悩みとなっています。

その他の職種としては保健衛生業、商業・金融・広告業、製造業などがあり、配送業も4番目に多く腰痛に労災があります。

トラック運転手にとって、腰痛は立派な職業病と言えるでしょう。

参考:運送業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000041115_3.pdf)

腰痛になる原因は姿勢にあり!

トラック運転手が腰痛になりやすいのは、主に姿勢に原因があるとされています。

運転中は急に立ち上がったり、寝転がったりすることはできないので、同じ姿勢(場合によっては長時間)でいる必要があります。重たい荷物も、運転手が直接運ばなければ届けられないケースも多くあるでしょう。

長時間同じ姿勢でいると、一定の部位の筋肉だけ力が入り続けることになります。トラック運転手のように、長時間の運転で同じ姿勢でいると、インナーマッスルが凝り固まってしまってしまうため、腰痛が起きやすくなってしまいます。

労災の認定基準は災害性の有無と状況次第

腰痛の原因が仕事に関わるのであれば、労働災害に認定されてもおかしくありません。ではどのような基準が設けられているのでしょうか。厚生労働省の定める労災認定基準には以下のことが書かれています。

参照:厚生労働省|腰痛の労災認定(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/111222-01.html)

災害性のある腰痛の具体例として、2人で荷物を運んでいる際、1人の手が外れてしまい自分に大きな負荷がかかった、予想よりも重いまたは軽い荷物を持ち上げたり変な姿勢で持ち上げたときに痛めてしまった例が挙げられます。

一見、ぎっくり腰のようですが、ぎっくり腰は日常生活で起こるものなので労災認定されないことが多いようです。あくまでも仕事の範囲内で突発的な負荷がかかった場合が労災認定される基準になっています。

トラック運転手の腰痛は災害性のない労災基準に当てはまる

トラック運転手の場合、「同じ姿勢で動けない」業務であり、人によっては20㎏以上の荷物を繰り返し運んでいます。

災害性なしの腰痛は「就業してから3か月以上経過している」場合のみ、適用されます。

労災の補償範囲はどこまで?

上記の条件に当てはまる場合のに補償が受けられます。

動けない日数が2日の場合、その間に病院へ行っても医療費は戻ってきませんし休業補償は出ません。

労災指定医療機関で治療を受けたい、診察をしたい場合は、厚生労働省の「労災保険指定医療機関検索サイト(https://rousai-kensaku.mhlw.go.jp/)」より検索してください。

医学的証明ができるかどうかがポイント

補償を受け取る基準は、「腰痛が業務に関連して起こったものである」ことが、医学的に証明された場合です。

証明となる病院の領収書を持って労働基準監督署へ行き、申請用紙を記入して提出して初めて労災認定されます。

ほんの数日や数時間動けないだけでは、ぎっくり腰や疲労として扱われることもあるようです。

反対に、もともと腰痛でクリニック通っている人が業務で腰を痛めた場合、「業務による悪化」が認められるため労災になる例もあります。

基準があいまいでわからないという方は、労働基準監督署で相談してみましょう。

労働基準監督署は各都道府県ごとに設置されています。それぞれの公式サイトから「労災補償課」の番号にかけると相談できるようになっています。

腰痛にならないためには工夫が必要!

腰痛を予防するための方法には以下のものがあります。

腰に負担をかける動作として、長時間運転をしたのちに重い荷物を運ぶことが例に挙げられています。トラック運転手の中には、発送後の荷物運びを行わなければならない人もいます。休憩をしてから荷物を持つ、無理のない姿勢で運ぶことを意識して、体への負担を減らせるように勤めましょう。

腰痛は背もたれの角度や位置によって背中にかかる力が変わることで発生しやすくなると言われています。

シートの調整はもちろん、ほかにもクッションなどのアイテムを使用して対策を取ることも大切です。

トラック運転手の必需品についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

トラック運転手の10の必需品

腰痛は労災になるが対象外のことも考えて対策を!

トラック運転手が運転によって姿勢を変えられず腰痛になる場合、3か月以上の就業をしている場合は労災認定される可能性が高いです。

休業補償は4日以上動けないとき、傷病補償は治療を1年半続けていてもよくならず傷病等級1~3級に当てはまる場合のに認められます。

労災認定されるには医学的根拠が必要となり、認められない例もあるため、トラック運転手になりたての方、これからなりたいと考えている方も、腰痛対策について覚えておき、スムーズな仕事ができる準備をしておきましょう。

取材協力

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NTSグループ・
株式会社キョウエイ

東京23区を取り囲むように配置した物流拠点(相模・府中・東久留米・所沢・戸田・浦安・船橋)による、独自の物流ネットワーク「東京包囲網」を有するNTSグループの一員。労働環境の改善に取り組み、ドライバーにとって働きやすい会社を目指している運送会社です。「家族主義」をモットーに、ドライバーひとりひとりの悩みや要望と向き合い、シフト調整や指導対応を組織全体で行っているのが特徴です。

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引用元HP:https://www.nts-group.co.jp/
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