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ルート配送ドライバーの将来性について解説しています。
総じてトラック業界は、人手不足感が強い業界となってしまっています。ある調査によれば、「接客・給仕」「飲食物調理」に次いで、トラックドライバーは人が足りていないという結果が出ています。加えてドライバーの平均年齢も上がっており、40代から50代のドライバーが全体の70%近くを占めているのに対し、20代以下の割合がひと桁となってしまっています。(2015年度調査)
参照元:国土交通省 トラック輸送状況の実態調査結果(全体版) より(https://www.mlit.go.jp/common/001128767.pdf)
ひとつはやはり、「きつい仕事なのに給料は易い」というイメージが広く浸透してしまっているというのがあります。もちろん、「火のないところに煙は立たない」のことわざがある通り、以前はそうした風潮が強かったというのは否めません。そうした反省を踏まえ、トラック業界では官民が協力し合い、労働環境や待遇の改善に取り組んでおり、その効果も出初めています。
また若手不足に関しては、この理由に加えて、少子高齢化による若者世代の人数そのものが減っていることや、いわゆる車離れの影響もあると考えられています。この点も各種の取り組みを開始しており、高校や大学に出向いてのPR活動や免許制度の改革なども行われています。新設された準中型免許は、18歳で取得できるようになったのも、その一環です。
先に述べた高齢化や若手の不足、さらにはニュースなどで報道されている通り、ドローンや自動運転化技術などによって、トラックドライバーの将来性はないと言う論調も見かけます。そうした事を言うのは、そもそも運送業界で働いていない方か、かつての労働条件の厳しい時代に苦労を強いられた方なのかもしれません。
そもそも、配送業務というものは、どんな時代でも必要とされるものであり、今後すぐにトラックドライバーが不要になるなどということはありえません。それこそ22世紀になる頃ならともかく、近い将来、仮に自動運転による配送が実現したとしても、必要な物流をすべて賄うことは不可能でしょう。
また、特にルート配送ドライバーは、ただ物流を担うだけでなく、顧客満足度を高めるための「セールスドライバー」としての役割もあり、その点は代換えが進み難いと考えられます。ドライバー志望の方は、ご安心ください。
むしろ、今後求められるのは、トラック事業所における配送ドライバーに対する取り組みです。
数年前にとあるテレビ番組で、人気の漫画家さんの職場紹介がありました。その漫画家さんのスタッフさんはすべて、定時で仕事を終えられるようにしているとのことで、そうでなければ、長く続けることはできないと語っていました。まさにその通りで、配送ドライバーもまったく同じです。
ドライバー1人ひとりに希望をヒアリングして、育児や介護などがある場合などでも両立できるよう配慮する、準中型免許取得の費用を半額助成するなど、配送ドライバーのワークライフバランスや成長に応えられるような取り組みが、ますます重要になることでしょう。
取材協力
NTSグループ・株式会社キョウエイ
「家族主義」をモットーとしており、ドライバーひとり一人の悩みや希望に対応するという方針を実践。例えば他業種からの転職者には、安全運転指導員によるトラックの同乗指導からはじまり、荷物の積み降ろしかなどの研修をしっかりと行います。
また、「希望休」「希望時間」制度があり、勤務時間のシフト調整に柔軟に対応。例えばお子さんの学校行事がある、育児や介護などの都合があるといった場合にも、可能な限り希望に沿うよう調整。配車担当からドライバーに至るまで、一丸となってフォローを行います。